問い
「AIが普及すると人が働かなくなり、消費が減って経済が縮小する」という主張は正しいのか?
第一次・第二次産業革命の実態
18世紀末の英国に始まった産業革命は、それまで数千年にわたり停滞していた一人当たり所得を永続的な成長軌道へと押し上げた。
| 年代 | 英国の一人当たり実質所得 | 主な変化 |
|---|---|---|
| 1760年 | $400 | 手工業・農業中心 |
| 1800年 | $430 | 紡績・製鉄の効率化 |
| 1830年 | $500 | 蒸気機関・鉄道の普及 |
| 1860年 | $800 | 重化学工業の台頭 |
100年間で一人当たり所得が倍増
ラッダイト運動(機械打ち壊し)のような抵抗はあったが、マクロ的には農業から製造業・サービス業へ労働が移動。技術は消費を減らすのではなく、爆発的に増やしてきた。
ラッダイト運動(機械打ち壊し)のような抵抗はあったが、マクロ的には農業から製造業・サービス業へ労働が移動。技術は消費を減らすのではなく、爆発的に増やしてきた。
IT革命(1990-2010年)
米国の労働生産性:年平均2.4%成長(1995-2004年)
それ以前の20年間(1.5%以下)から大きく跳躍。コンピュータとインターネットの普及が「知識の波及効果」を生み出した。
それ以前の20年間(1.5%以下)から大きく跳躍。コンピュータとインターネットの普及が「知識の波及効果」を生み出した。
IT革命は「雇用の二極化」(中技能職の減少、高技能・低技能職の増加)を招いたが、マクロ経済全体での雇用者数は、景気後退を除けば持続的に増加した。
歴史からの教訓
- 技術革新は短期的には「摩擦」を生むが、長期的には経済規模を拡大させてきた
- 「技術的失業」は一時的に発生するが、新産業が労働力を吸収してきた
- 効率の向上が、新たな消費と需要を生み出す「好循環」を形成
Coach's Note
歴史的データは「楽観論」の強力な根拠になる。ただし「今回は違う」という悲観論も存在するので、両方を押さえた上で議論することが重要。